京都迷宮案内

先日、京都にハヂメ氏、サバス氏、ヤマケン氏と共に行ってきた。
企画名は「ヤマケン、インド料理をぶった斬る」である。
本来であれば、コマツ氏、ローディーのユン氏も行く予定だったのだが
前者は次の日からロシア遠征ということで断念、
後者は「Gしてから行くわ」と言ってくれたものの当日中には
終わらなかった模様で来てくれなかった。

ヤマケン氏は夕方からの参戦だったため、彼を除く我々3名は
観光を楽しむことにした。
まず三十三間堂に行き、1001体もの像を一度に見たため
胃がもたれた。
実はわたくし1時間以上もの遅刻をしてしまい、ハヂメ氏とサバス氏は
すでに一回見て回っているので僕につきあってもう一回一緒に回ってくれたわけだ。
あのサイケな空間を二度味わった彼らはよほど胃がもたれたことだろう。
小学生の集団が集合写真を撮っていたのだが、引率している教師であろう
人物が明らかにズラ、どう見てもズラ、百歩譲ってもズラという髪型を
していたので
「ベレー帽やと思いたいなぁあれは」
などと失礼なことを呟きながら我々は三十三間堂を後にした。


その後、祇園の辺りに行こうとしたが、
ド方向オンチな僕の道案内で先導したところ
目的地とは真逆に連れて行ってしまい、
途中で気づくもかなりの時間ロス。
変更して東寺に向かったのだがすでに閉門しており、中に入ることは出来なかった。
結局のところ、僕の遅刻が寺の鐘より重く響いた、というわけだ。
もしこの時にヤマケン氏がいたら間違いなく
青筋を張り巡らせた形相で八つ裂きにされていたはずだ。


もうそろそろヤマケンを駅まで迎えに行く時間だ、ということで
京都駅からバスに乗り河原町へ。皆一様に勃起させながらバスに揺られた。
午後6時前、ヤマケンが懐かしのラズマタズの曲を大声で歌いながら登場。
僕を含む他の3名は合間に「フジヤマ!ゲイシャ!」とコーラスを
挟みながら目的のインド料理屋に隊列を組んで向かった。


店に到着。予約を取っていたので、というかむしろ
客がガラガラだったので予約の意味も事実上なかったわけだが
スムーズに席に着くことが出来た。
何より、金髪に染めたインド人の若いウエイターが印象的だった。
コース料理を注文し、おいしくいただく。
ヤマケンがナンを・・ナンを食ってチャイ飲んでる!
僕はもう涙が出そうだった。今回のこの企画こそ
某放送局の偽善的なイベントより世界平和によっぽど貢献できると思ったものだ。


食後には、とりわけサバス氏が楽しみにしていた「手相占い」もしてもらった。
手相を見てくれるのはインド人の50代ほどのオヤジで
しかもそのインド料理屋の経営者である。
さきほど我々がカレーやらナンやらを食べている間、
実はそのオヤジは我々の隣のテーブルで他の業者と商談をしていた。


一人ずつ順番に手相をみてもらう。
トップバッターはハヂメ氏で、
「コノ人ノ手相ハ千人ニ一人ッテクライスゴイヨ!」と絶賛されていた。
ライターがものすごく向いているとのこと。
二番目は僕で、まず最初に
職業は「キョウシガ向イテル!」と言われ、なんかゴチャゴチャしたあげく
最終的には「パン屋ニナルノガイイ!」と言われた。


そして何より驚愕だったのは・・。
ハヂメ氏、サバス氏、ヤマケン氏へ。言うよ。僕はちゃんとネタにするよ。
何より驚愕だったのは、いつ結婚するかなどについても見てもらったのだが
そのオヤジ、じ〜〜っくり手を観察した後、開口一番


「アンタ女ニ興味ナイネ!」


と僕に言った。まったくひるみのない口調でそう断言したのだった。
僕は努めてポーカーフェイスを保とうとしていたのだが、
他の人の証言によるとかなり苦悶の表情を浮かべていたらしい。
同姓同士の恋愛についてとやかく言うつもりはない。
ただ、僕に関して言うと、


僕はゲイではない


何だか異国の地にて外国人の男性ルームメイトに
告げているようにも見えるが、ここは日本である。
っていうか僕ホンマに女のコが好きやねんって!
ほんまやって!ほんまやって!信じてよ!
・・弁解してるのが余計にリアルか。
もう何でもええわ。何とでも思ってくれ!


その後、サバス氏の番になり
「アンタ将来ハ海外ニ住ムヨ!」
と言われていた。


トリは我らがヤマケンの番だったのだが、そのインド人のオヤジが
サバスの辺りからしきりに腕時計を気にしたりと、
どうやら喋るのに疲れてきた様子で、ものすごく短縮されてしまった。
「ケッコンハ26才クライ!モシカシタラ31才クライマデ延ビルカモ!」
とまくしたてて終了した。


楽しい旅でした。
帰りに少し祇園の辺りを散策したのだがゲイ者さんが歩いていて・・


・・ほんま僕ちがいますって。