西祐樹〜遥かなる天竺〜 最終話 



「わが巨○軍は永遠に不滅です!」


会場のボルテージが最高潮に達しようとしていたその時、
突然ニット帽を取り、キューピーちゃんのような髪型を
露呈させたゼツリン氏。
さらば球友たちよ、さらば夜空の星たちよ・・
ありがとう・・アリーナのみんなありがとう・・
・・と、一戦を終えたかつての高田延彦ばりのマイクパフォーマンスを
かまし、神々しい光を放ちながら昇天された。
イカのスメルが辺りを包み込む。
スルメじゃないよ。




レミオロメン


すすり泣く嗚咽の音だけが辺りを包み込んでいたその時、
そのセンチメンタルな雰囲気をぶち壊しにかかる一人の猛者がいた。
泣きたくなるほど青々としたケミカルウォッシュのジーンズ、
ボーダーのシャツは当然ジーンズの中にインしている。
メガネ、リュック、手にはポスターがのぞく紙袋。
おそらく「藍より青し」のキャラクターのポスターであろう。
まさにその条件を満たしている。
会場に迷いこんできただけのようで、終始
「インディペンデント!オーガニック!萌えー!」
と不安そうに叫び続けていた。




暴れん坊将軍


突然のE.T.の乱入のせいで会場に混乱が訪れたその時、
「キャーーーハッハッハッハッハ!!」
という雷鳴のような笑い声が聞こえた。
聖剣エクスカリバーを手にしたその貴婦人は
次々と野郎共をなぎ払ってゆく。
ついにその刃は司会進行役であるAV男優のカッシーにまで及び、
彼女のなぎ払いを受けた瞬間、邪気が彼の全身から
拡散し消滅してゆくのが見えた。もうこれでまっとうな俳優になれる。




突然の記者会見に会場は・・


女性版ケン・マツダイラの登場により、会場がサンバでも踊ろうかという
雰囲気になろうとしていたその時、
突然カメラをかかえたマスコミの連中が乱入してきた。
するとゴージャスな出で立ちをした一人の女性がスクッと立ち上がり、
「もう私、場末のバーに用はないの」
と言って笑顔を振りまいた。その瞬間、カメラのフラッシュの嵐。
風の噂によれば大物ミュージシャンM.A.X.氏と婚約した話題の
女性らしい。バーのママから一転、玉の輿というわけだ。
隣では絶倫騎士が興味深げにその様子を見ている。












その時






その一連の流れを一言も発さず傍観していた彼は






有無を言わさぬ圧倒的な存在感で





彼は





こう言ったんだ





彼って一体誰かって?





そんな野暮なこと今さら聞くなんておこがましい



とにかくこう言ったのさ








「人生はネバーランドさ」







ってね。





一応フォロー。



おしまい